TCG REVIEW logo

100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。
【特集】

戦略×成長M&A

コスト削減による利益創出から、投資によって付加価値を高めるビジネスモデルへの転換が必要な今、買収という手段で迅速な事業展開が可能となる M&A は、企業に不可欠な経営技術である。しかし、戦略なき M&A はシナジーを生まない。成長戦略と M&A の掛け算によるシナジーで、自社の価値向上と持続的な成長を目指すメソッドを提言する。
メソッド2024.06.01

「戦略×成長M&A」で企業価値向上を目指す:丹尾 渉

企業は「環境適応業」

 

外部環境の変化は突然起こる。要因は、政治的、経済的、地政学的、自然科学的なものなどさまざまであるが、直近の傾向としては、環境を180度変えてしまうような極端な変化が多いということである。「デフレ・低金利・低賃金」から「インフレ・金利上昇・賃金上昇」と、極端な変化がまさに起こっている。

 

こうした環境変化の中でも、企業はビジョンを描き、経営を未来に“つなぐ”ことが求められる。今こそ「変化をマネジメントする」ことが必要なのである。

 

変化をマネジメントするためには、判断軸となる戦略が必要であり、その戦略に従って手段を実行(実装)しなければならない。戦略を構築するだけでは変化に対応できず、やみくもに投資や事業開発を行うと、誤った方向に向かう可能性がある。戦略と実行手段はセットで考えることが肝要である。

 

さらに、戦略実現のスピードを上げるならば、今やM&Aの活用は必須である。自力成長(オーガニック成長)だけでは実現できない目標を、アライアンス・M&Aを活用した成長(インオーガニック成長)によって短期間で実現させることが可能となる。この戦略と成長M&Aとの掛け算によって、企業は環境変化に適応することができるのである。

 

企業が抱える中長期ビジョンの課題

 

タナベコンサルティングが実施した「2023年度 長期ビジョン・中期経営計画に関する企業アンケート調査」(2023年10月)によると、約半数(54.5%)が「目標数値を掲げているが具体的な戦略が不足している」と回答している。また、「計画・ビジョンを定めているが推進できていない」との回答が2位(34.8%)であり、打ち手に課題感があることが見て取れる。

 

上場・非上場別の長期ビジョン・中期経営計画の課題に対するアンケート結果を見ると、上場・非上場企業とも具体的な戦略が不足していること、特に非上場企業は「計画があいまいで、方向性が定まっていない」、「現状を正しく認識・把握できていない」ことが課題であると分かる。つまり、戦略構築と実行・推進のいずれか、あるいは両方に課題を抱えている企業が少なからずあると考えられる。

 

こうした課題を解決するため、タナベコンサルティンググループ(TCG)では、戦略構築から実行・推進までをシームレスにつなぐ仕組みである「戦略×成長M&A」ブランドを展開している。「中長期ビジョン構築」「事業ポートフォリオ戦略構築」「グローバル・ビジョン戦略構築」といった戦略構築フェーズから、「M&A 戦略構築」「ファイナンシャルアドバイザリー(FA)・仲介サービス」「経営統合プロセス(PMI)」の実装フェーズまで一気通貫で支援し、専門コンサルタントが各社に応じた唯一無二の成長一貫モデルを描くコンサルティングである。

 

TCGが相談を多く受けるのは、PBR1倍割れ・ROE10%以下の上場企業、M&Aで成長したいと考えている企業、M&Aを行っているがどのような企業を買収すれば良いか不明確になっている企業、PMIに課題があるといった企業である。各社とも「戦略構築⇒成長M&Aの実践⇒企業価値向上」という善循環サイクルの確立を目指している。(【図表1】)

 

【図表1】シナジーを生む「戦略×成長M&A」の善循環サイクル
【図表1】シナジーを生む「戦略×成長M&A」の善循環サイクル
出所 : タナベコンサルティング戦略総合研究所作成

 

 

1 2
Profile
丹尾 渉Wataru Nio
タナベコンサルティング 執行役員
2015年タナベ経営(現タナベコンサルティング)入社後、収益・財務構造改革を中心に、資本政策や組織再編コンサルティングなどに従事。2017年からM&Aコンサルティング本部の立ち上げに参画。M&A戦略構築からアドバイザリー、PMIまでオリジナルメソッドを開発。その後6年間で延べ100件以上のM&Aコンサルティングに携わる。「戦略なくしてM&Aなし」をモットーに、大手から中堅・中小企業のM&Aを通じた成長支援を数多く手掛けている。
戦略×成長M&A一覧へメソッド一覧へ特集一覧へ

関連記事Related article

TCG REVIEW logo